気を操作するとは、氾濫した気を減らしたり不足した気を増やしたりすることです。
気は内臓を源流に体内を周流し、ある点(ツボ)から体表に出てきます。気は体表の決まったルートを流れてある点(ツボ)で再び体内へ戻っていくのです。ツボとは気の出入り口で名前の通り陥没した点です。体表に約360個あり、それぞれ固有の性質を持っています。そのツボの性質を利用して鍼を使って気を動かします。
例えば肺の気はみぞおちあたりで発生して,最初は下って大腸に絡まります。その後上って横隔膜を貫いて肺に入ります。次に肺から流れてわきの下にあるツボから体表に出ます。上腕、肘、前腕の内側を流れて親指の先のツボまで至り再び体内へ戻っていきます。体表には合計8個のツボが並んでいてそれぞれ特徴を持っています。肺の気を減らすツボ、増やすツボ、流れを緩めるツボ、早めるツボ、元気にするツボ、痛みを取るツボ、等々です。これらのツボを利用して気を操作するのです。
例えば肺の気が氾濫しているとどうなるかというと、気が多すぎるので熱気が高まっています。肺に炎症がある状態です。インフルエンザや結核、風邪、新型コロナウイルス、どんな場合でも肺の熱が高まっていればその熱気を取ってあげれば症状は治るのです。
肺の氾濫した気を取るのです。気を減らすツボを利用します。熱がとても高くて救急状態であれば急速に気を減らすツボを使い、それほど重症でなければ緩やかに気を減らすツボを使います。気がどれだけ氾濫しているかは脈診で知ることができます。脈診によって使うツボを選ぶのです。