あなたが食べた物は口内で租借され、胃で分解されて小腸で吸収される。
そしてその残渣が大腸で脱水されて便として排泄される、
と、考えていませんか?
ところが現実はまったく違います。
もちろん消化吸収されなかった物は便として素直に排泄される場合もありますが、
大半は食べかすではなく、代謝物と腸内細菌の死骸です。
私たちの古くなった細胞のカスや代謝から生じたゴミや腸内細菌の死骸なのです。
食べた物の多くはすぐに全身に運ばれ私たちの体の構成成分となります。
これは実験からすでに明らかにされています。
頭から手足の先まで、そして各臓器、あっという間に全身に拡散します。
これはまるで単細胞のアメーバが捕食した後すぐにその成分を細胞内全体で同化するのと同じです。
もちろん私たちは単細胞生物ではありません。
しかし食べた物を瞬時に全身に拡散させる様はアメーバと大差ないのです。
私たちは数十兆という細胞でできています。
そして高度に文化された組織を持っています。
しかし生命体としては1つなのです。
すべての細胞はつねに代謝して食べた物をどんどん取り入れて排泄し、
細胞自体もどんどん分解されて新しく作られています。
その排せつ物が便として直腸から出されているのです。
数十億という細胞を一つの生命体としてまとめているのが気の流れです。
私たちの体は津液(しんえき)という体液に浮いている状態です。
その津液の流れがあるから食べた物は一瞬で体中に拡散されるのです。
心臓から噴出された動脈血は津液の流れに乗るから1分後に再び心臓に戻って来られるのです。
(人の体には5~6ℓの血液があります。心臓は1分間に5~6ℓの血液を拍出します。
つまり心臓から出た血液は1分後には再び心臓に還ってきているのです)
食べた物は吸収されるとすぐに津液に乗って全身へ運ばれています。
それは気の流れによる波です。
それが生命活動の基本となっているのです。
食べた物は事実私たちのすべてをつくる材料になっていて便のもとではないのです。