私たちは全身で一つの生命です。
部品の寄せ集めではありません。
30兆とも40兆ともいわれる細胞がただ集まっているだけの存在ではありません。
全身を津液(しんえき)という体液が常に自由に流れています。
まるでアメーバと同じです。
全部で一体なのです。
気は自由です。
血液は津液の一種類で、その他に唾液、胃液、涙、汗、いろいろな形に変化しながら津液は流れています。
足の先から頭のてっぺんまで、常にグルグル流れています。
血液は5~6ℓありますが、心臓から噴出した血液は1分後には再び心臓に戻ってきます。
つまり血液は血管の中を心臓から各組織へ移動し、
組織では1つ1つの細胞にしみわたって
酸素を供給し、老廃物を受け取り、再び血管内へ集合し、再び心臓へもどってくるのです。
それを全身で1分で行っているのです。
そのジェット噴流は、血液が気の流れに乗って実現しているのです。
また私たちは心の動きによって
一瞬で涙が出たり、唾液が出たり、汗が噴き出たりします。
これも津液が形を変えながら気に乗って必要な所に行き、働いているからです。
生きているということは、体温があるということです。
気は私たち自身ですが、全身に満ちて体と心を作っています。
大海に一定の潮流があるように
気には大きな12本の流れがあります。
太平洋の親潮や黒潮のようなものです。
そしてこれらはとても正確な流れです。
時間、部位、速さ、気の量、とても正確です。
だから少しでもこれらが狂うと、私たちは体や心に苦痛を感じます。
生きる原理が狂うから苦痛を感じるのです。
気の流れをもとにもどすことで
津液の流れも生命活動ももとにもどって病気が治っていくのです。
この原理を発見したのが
「素問霊枢」医学です。