鍼や灸を用いた施術のことを指します。
最も古い鍼灸のテキストはおよそ3500年前に編纂された「素問・霊枢」です。日本には414年に大陸から伝えられたという記録があります。
人の身体は約12本の気の流れによって維持されています。それら12本は12の臓腑と深く関係しています。
これら12本の気の流れを鍼や灸によって動かし、臓腑や身体全体を正常にもどしてゆく治療が鍼灸治療です。
気とその流れは臓腑を源流として体内を流れ始めますが、ある点から体表に出てきます。体表の流れには気が出入りするポイントがあり、それがツボという部分です。このツボにはそれぞれ性質があります。その性質の特徴を利用して行う治療が鍼治療です。ツボに鍼を刺入して気とその流れを操作して正常にもどしていくのです。
この鍼治療の最大の特徴は、一本の気の流れの異常を治すことでその流れが維持している身体の部分全体を治していくことが出来るということです。
例えば足の陽明(胃経)という流れは、胃から流れ出て足の人差し指から体表に出て来ます。そして頭へ向かって昇り、膝・鼠径部・へその横・乳頭・のど・下あご・目の下というルートで流れます。
そこでこの流れに異常が生じると、これらの部分に異常が起こる可能性があります。
膝の痛みや変形、股関節の異常、お腹の張りや出っ張り、乳がんや乳腺炎など、のどの異常(甲状腺や食道の異常)、顎関節の異常や下歯の異常、顔の目の下などのタルミやシミ等々様々な症状が起こる可能性があるのです。
反対にこの流れの異常を治せば流れる部分の症状が改善されていくのです。